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鉄道の乗り方と時刻表

草原を何時間も走るモンゴルの列車。座席の選び方から切符の買い方、車内の様子まで、実際に乗った写真で紹介します。

モンゴルの鉄道ってどんなもの?

モンゴルの旅客列車は、モンゴルとロシアが共同で運営する「ウランバートル鉄道」(УБТЗ)が走らせています。北のロシア国境から首都ウランバートルを通り、南の中国国境まで国を縦断する路線が中心で、途中から北西のエルデネトへ分かれる路線もあります。国内線は夕方に出て翌朝に着く夜行列車が多く、ベッドで眠りながら移動できます。

4つの座席区分

値段と快適さで選ぶ

車両は4種類。上ほど値段が高く、部屋が広くて静かです。切符を買うときに区分を選びます。

1

ルクス

Люкс
2人部屋・扉つき

いちばん上の区分。2人用の個室で、ゆったり過ごせます。エルデネト線では2023年1月から毎日連結されています。

🚃 わたしが乗った区間:ウランバートル ↔ エルデネト(2024年8月)

窓に向かって2つのベッドが並ぶ、ルクスの2人部屋
ベッドが2つの2人部屋
カーテンのかかった窓と木目の壁が続く、ルクス車両の廊下
ルクス車両の廊下
木目の壁と大きな鏡のある個室
木目の壁と鏡の個室
個室の壁についた車内灯。明かりがついている
車内灯。夕方になると使えるようになった
2

タサルガート(クペ)

Тасалгаат/Купе
4人部屋・扉つき

上下2段のベッドが向かい合う4人用の個室。1両に9部屋(36人分)あります。扉が閉められるので、夜行列車でも安心して眠れる定番の区分です。

🚃 わたしが乗った区間:ウランバートル → サインシャンド(2022年10月・行き)、ウランバートル ↔ スフバートル(2023年4月)

上下2段のベッドが左右に並び、窓ぎわに小さなテーブルがある4人部屋
4人部屋。窓ぎわに小さなテーブル
白いシーツと枕が置かれた下段のベッド
シーツと枕(シーツは有料)
4人部屋の窓から見える、春の草原
窓の外は春の草原(スフバートル線・2023年4月)
片側に個室の扉が並び、反対側に窓が続く廊下
個室が並ぶ廊下
3

ウントラギーン(プラツカルト)

Унтлагын/Плацкарт
寝台・扉なし

扉のない開放式の寝台車。通路をはさんで、片側には2段ベッドが向かい合った4人分のスペースが、反対側には通路に沿って2段ベッドが並びます。座席車のニーティーンとちがい、自分のベッドが決まっていて、シーツと枕もあります。個室ほど静かではありませんが、横になって移動できて値段は手ごろです。

🚃 わたしが乗った区間:サインシャンド → ウランバートル(2022年10月・帰り)

2段ベッドが向かい合い、窓ぎわに小さなテーブルがある4人分のスペース
2段ベッドが向かい合う4人分のスペース
左に向かい合わせのベッド、右の窓ぎわに通路に沿った2段ベッドが並ぶ車内
通路の反対側にも2段ベッド
ベッドが並ぶ長い通路
車両の端まで続く通路
4

ニーティーン(一般席)

Нийтийн
座席

いちばん安い座席の車両。「ニーティーン」は「みんなの・共用の」という意味です。1両に81席。混む時期には、席の番号がない切符も売られることがあります。数時間の短い区間に向いています。

🚃 わたしが乗った区間:ウランバートル ↔ ダルハン(2022年10月)、ウランバートル ↔ サインシャンド(2022年11月)

緑色の客車。行き先板に「ウランバートル-ダルハン」
ダルハン行きの客車(2022年10月)
通路の両側に赤い座席が並ぶニーティーン車両
通路の両側に並ぶ座席

切符の買い方

3つの方法
💻

インターネット

公式サイト eticket.ubtz.mn か、スマホのアプリ「УБТЗ Eticket」で予約・購入できます。

🏢

駅の窓口・券売機

主な駅に窓口とセルフ券売機があります。ウランバートル駅のそばには、切符を扱う「旅客輸送センター」もあります。

📞

電話

1900-1949(ウランバートル鉄道)

青いガラス張りの旅客輸送センター
旅客輸送センター(ウランバートル)
窓口と青い券売機が並ぶ切符売り場
以前の切符売り場と券売機。2026年の夏に行ったときは、きれいに新しくなっていた

切符の読み方

スフバートルからウランバートルまでの列車の切符
タサルガートの切符(2023年4月)
ウランバートルからダルハンまでの列車の切符
ニーティーンの切符(2022年10月)
Хаанаас / Хаашаа
どこから / どこまで
2023-04-09 (Ня)
日付と曜日(Ня=日曜日)。左が出発、右が到着の時刻
Галт тэрэг
列車の番号と区間(例:272 スフバートル-ウランバートル)
Вагон
号車と座席区分(例:21号車・タサルガート)
Суудал
座席(ベッド)の番号
Зорчигчийн мэдээлэл
乗る人の名前・パスポート番号など(写真では切り取っています)

主な路線の時刻表

毎日運行の国内線

⚠️ 時刻は季節や年によって変わります。下の表は公開されている情報をまとめた目安です。乗る前に、必ず公式サイト eticket.ubtz.mn で確認してください。

ウランバートル ↔ スフバートル(北・ロシア国境方面)

列車ウランバートルズーンハラーダルハンスフバートル
27110:35 発15:0017:3819:50 着
26320:30 発0:022:535:31 着
27216:30 着11:509:176:59 発
2646:16 着1:5823:2020:55 発

ダルハンまでは約7時間。ダルハンへは、このほかエルデネト行きの列車でも行けます。

ウランバートル ↔ ザミンウード(南・中国国境方面)

列車ウランバートルチョイルサインシャンドザミンウード
27616:40 発21:201:437:20 着
2759:20 着——18:05 発

全長606km・約14時間半。サインシャンドには夜中に着きます。

ウランバートル ↔ エルデネト(北西)

出発到着
行きウランバートル 20:20エルデネト 7:45
帰りエルデネト 19:40ウランバートル 7:40

毎日1往復の夜行列車。ルクス車両が連結されています。

「—」は資料で確認できなかった時刻です。

料金の目安

大人1人・片道
区間ルクスタサルガートウントラギーンニーティーン確認時期
ウランバートル → ザミンウード133,100₮73,400₮44,000₮26,000₮2025年8月
ウランバートル → エルデネト75,700₮——6,800₮2023年1月/2024年12月

ザミンウード線は、旅行会社の表記(Soft/Second Class/Hard Sleeper/Hard Seat)を4つの区分に当てはめた目安です。円の目安は通貨のページで計算できます(1,000₮ ≒ 約44円)。「—」は資料で確認できなかった料金です。最新の料金は公式サイトで確認してください。

車両を丸ごと貸し切る

車掌さんに見せてもらった資料より
資料の表紙「貸し切り車両のご案内」
資料の表紙(2023年4月撮影)

スフバートル線に乗ったとき、車掌さんに「鉄道に乗るのが好き」と伝えたら、この資料を見せてくれました。表紙には「Түрээсийн вагоны танилцуулга(貸し切り車両のご案内) ウランバートル鉄道 旅客輸送部 2023年3月15日」と書かれています。

ウランバートル鉄道では、ふだん乗る車両のほかに、食堂車やカラオケのあるクラブ車、会議室つきのサロン車などを、1両まるごと1日単位で貸し切ることができるそうです。下の値段は座席の値段ではなく、1両を1日借りるときの値段です。

値段は2023年3月の資料のものです。円はおよその金額(1円 ≒ 22.87₮で計算)。今も同じ内容で貸し切れるかは、ウランバートル鉄道に確認してください。

資料のページ:荷物車・食堂車

荷物車・食堂車

Тээшийн вагон/Вагон-ресторан

荷物車 1日 1,155,000₮(約5万500円)
食堂車 1日 1,155,000₮(約5万500円)

上は荷物を運ぶ車両、下は食堂車。食堂車には青い座席とテーブル、カウンター席があります。

資料のページ:クラブ車 No.446

クラブ車 No.446

Клуб вагон №446

1日 1,400,000₮(約6万1,200円)

カラオケ・映画館・ディスコ(照明つき)として使える、パーティー用の車両。外側はモンゴルの国旗の色に塗られています。

資料のページ:ニーティーン車(座席車)

ニーティーン車(座席車)

Нийтийн вагон

1日 1,275,000₮(約5万5,700円)・81人乗り

ふだんの「ニーティーン」と同じ車両。向かい合わせの座席が並びます。

資料のページ:ウントラギーン車(開放寝台)

ウントラギーン車(開放寝台)

Унтлагын вагон

1日 1,380,000₮(約6万300円)・54人乗り

扉のない寝台車。通路に沿ってベッドが並びます。

資料のページ:タサルガート車(4人部屋)

タサルガート車(4人部屋)

Тасалгаат вагон

1日 1,500,000₮(約6万5,600円)・36人乗り

4人用の個室が並ぶ車両。花柄のベッドカバーが見えます。

資料のページ:タサルガート車(新型・真空式トイレ)

タサルガート車(新型・真空式トイレ)

Тасалгаат вагон (вакуум 00)

1日 1,550,000₮(約6万7,800円)・36人乗り

新しいタイプのタサルガート車。電子レンジや流し台、真空式のトイレがついています。※「00」は旧ソ連の国々でトイレを表す記号です。

資料のページ:ルクス車(2人部屋)

ルクス車(2人部屋)

Люкс вагон

1日 1,620,000₮(約7万800円)・18人乗り

2人用の個室が並ぶ車両。水色のカーテンが特徴です。

資料のページ:ルクス車(新型・真空式トイレ)

ルクス車(新型・真空式トイレ)

Люкс вагон (вакуум 00)

1日 1,700,000₮(約7万4,300円)・18人乗り

新しいタイプのルクス車。各部屋にテレビがあり、明るい内装です。

資料のページ:特別サロン車 No.464

特別サロン車 No.464

Тусгай үйлчилгээний салон вагон №464

1日 1,725,000₮(約7万5,400円)・12人が寝られる

台所・会議室・研修室つきの特別な車両。馬の絵が飾られた食堂のような部屋もあります。

資料のページ:特別サロン車 No.277

特別サロン車 No.277

Тусгай үйлчилгээний салон вагон №277

1日 1,725,000₮(約7万5,400円)・10人が寝られる

会議室と台所つき。冷蔵庫のある台所や、長いテーブルの会議室があります。

車内の設備とサービス

車内サービスの料金(2024年8月・国内線)

緑茶・紅茶・ミルクティー・コーヒー
カップ・マドラー・砂糖つき
1,400₮
使い捨てカップ500₮
シーツ一式7,400₮

料金表には、ほかにも紙おむつやペン、ティッシュなどの日用品の値段がのっていました。

わたしの乗車記

2022年〜2024年に往復で乗った5回と、鉄道75周年
2022年10月タサルガート/ウントラギーン

ウランバートル ↔ サインシャンド

出発前に旅客輸送センターへ
出発前に旅客輸送センターへ
行きは4人部屋で一晩
行きは4人部屋で一晩
帰りは開放寝台
帰りは開放寝台
お湯のボイラー
お湯のボイラー
2022年10月ニーティーン

ウランバートル ↔ ダルハン

ニーティーン車両の通路
ニーティーン車両の通路
途中のズーンハラー駅
途中のズーンハラー駅
ダルハン駅
ダルハン駅
帰りの列車の機関車
帰りの列車の機関車
2022年11月ニーティーン

ウランバートル ↔ サインシャンド

夜のチョイル駅
夜のチョイル駅
チョイル駅の待合室
チョイル駅の待合室
夜中に着いたサインシャンド駅
夜中に着いたサインシャンド駅
2023年4月タサルガート

ウランバートル ↔ スフバートル

夕暮れのスフバートル駅
夕暮れのスフバートル駅
雪の残る草原を見ながら
雪の残る草原を見ながら
石炭の暖房
石炭の暖房
草原のカーブを走る列車
列車
2024年8月ルクス

ウランバートル ↔ エルデネト

夕暮れのエルデネト駅
夕暮れのエルデネト駅
ルクスの2人部屋
ルクスの2人部屋
エルデネト駅
エルデネト駅
帰りの朝の草原とゲル
帰りの朝の草原とゲル
2024年8月記念

ウランバートル駅 鉄道75周年

ホームに並ぶポスター
ホームに並ぶポスター
75周年のロゴ
75周年のロゴ
駅の中の記念展示
駅の中の記念展示
車内の記念の紙コップ
車内の記念の紙コップ

ウランバートル鉄道は1949年に生まれ、2024年に75周年を迎えました。写真を押すと大きく表示されます。

出典

2026年10月に確認